切れる鋏をつかうこと

昔、革のかばん屋さんで見習いから働いていたとき、
エプロン持参で制作工場に初出勤した時の事、
「はい、これ。山内さんが使う道具がここにそろっているから、
いつもこれを使ってね。他人の道具は使わないように。」
と、工場長に優しく教えていただいたことがありました。

かばん屋の工場では、かばんを作るためのいろんな道具があり、
中でも印象に残っているのは、刃物。
革は、革包丁という両刃の彫刻刀をでっかくしたような刃物を使って、
手で裁断します。ちょっと切れ目を入れる時も使ったり、型紙を
作る時も使ったりしました。
よく使うものなので、すぐ切れ味が落ちてきます。
そうすると、仕事がはじまる前に、洗面所で砥石を使って、
自ら研ぐということをしました。まず、裏面を研ぎ真鍮部分を出した後で、
表面を研ぐのですが、この研ぎが私はなかなかうまくできなくて、先輩に
「へだだねー。できるまで帰っちゃだめよ(笑)。」
と言われたりしたのも、今となっては良い思い出です。

兎に角、自分の道具は、自分で手入れして使うということが、
職人時代に私が勉強したことの一つでした。

今でもそのことは同じで、ミシンをはじめ、
道具はすべてメンテナンスをして長く使っています。
そんな中、かばんの材料が革から帆布に代わってから、
革包丁は使いませんが、鋏はよくよく使います。
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この鋏、自分で分解して一度研いだことがあったのですが、
ただ研げばいいというものじゃなくて刃と刃をすり合わせて切れるのが鋏なので、
この重なりがとても自分ではできずに、逆に切れない鋏になってしまうので、
今は鋏だけは、研ぐ専門の方にお願いをしています。

さて、今年も8月に仙台の三越さんでイベント出店することになったのとともに、
私の大切な鋏さんたちの切れ味が鈍ってきたので、
研ぎ屋さんに先日、お店が休みのときに行ってきました。

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(初めて買った、遊心という鋏)

直してもらった鋏さん。

シャキン、シャッキ。
チョキん!!!

んー、いい音!
これが大切なんですよね。
うんうん。

よし、復活した鋏を使って、またカバン制作頑張ります!


by ittetsudo | 2016-06-01 11:22 | 制作の現場


東京下町。手作りカバンを自転車で移動販売している、えいえもんの日記。


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